1960年代に8ミリや16ミリの前衛映画を個人で制作し、自主上映活動を行なう。上映によるパフォーマンスも早くから行ってきた。1964年に実験映画集団「フィルム・アンデパンダン」を結成し、東京の紀伊国屋ホ−ルで日本の個人映画史上最初の実験映画祭を行なった。1965年、実験映画「LOVE」が、ニューヨークの実験映画のリーダー、ジョナス・メカスによって高く評価された。

1966年にはハ−バ−ド大学国際セミナ−に招待されて渡米、1973年、ドイツアカデミ−の招きで、1年間ベルリンに滞在、キネマテ−クやベルリン芸術アカデミ−で個展上映、74年にはパリのシネマテ−クやポンピドウ・センタ−などでも個展上映を行なった。ニュ−ヨ−クでは1974年に近代美術館、79年にはホイットニ−美術館で個展とパフォ−マンスを行なって、個人映画作家として、国際的に評価された。

 最近はマルチメヂアにも実験的な作品をてがけ、CD-ROM作品により『Observer/Observed』(1999)、『Interactive:AIUEONN SIX FEATURES』(1999)や、DVDにより『Seeing/Hearing/Speaking』(2002)、『60年代の実験映画』 (2004), 『MA/間: A Japanese Concept』(2004)などを自主発刊した。

 著書に『芸術と非芸術の間』(三一書房、1970)、 『パリ−東京映画日記』(風の薔薇社、 1985)、『映像実験のために』(青土社、 1986)、作品カタログに、『Takahiko Iimura Film and Video』(Anthology Film Archives, New York, 1990), 『Seeing, Takahiko Iimura Film et Video』(Jeu de Paume Garelie Nationale, Paris, 1999) などがある。


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